和紙販売:紙処ますたけ(静岡・静岡市)

その和紙に似合った使い方をしてあげれば、すべて上手く (4/4)

静岡市で代々和紙屋さんをされている“ますたけ”さん。和紙小物の販売と共にマンツーマンに近い形での和紙教室も開催されています。「紙の声が聞こえる」という言葉を仰っていましたが、小さいときからずっと和紙が身近にあったからこそなのでしょう。  (取材日:平成23年2月3日)

和紙小物は“ますたけ”さんよって言ってもらえたら嬉しい

ご自身で作っているのが、紹介いただいた茶筒とかありますけど、それ以外だとどのようなものがあるんですか?

みんなそうですよ。コースターから何から。

茶筒でびっくりしたのが柄合わせしているところでした。

だってしなきゃ意味ないですもの。そこを言われるとグッと来るわけ。良かったって(笑)売れたこと以上の喜びですね。その手間。

だってその手間って、4倍は掛かりますものね。

掛かります。もっと掛かるかもしれない。だから本当は手間考えたら売れないですよ。だけれどね。よそと違う缶をわかってくれれば良いなって思って。

柄合わせするには、中に張り込むと少し柄がずれるわけじゃないですか。通常はその中に張り込むなんて手間なことはしないでそのまま切っちゃうから一見柄があっているように見えますけど、実はものすごく安易な作り方ですものね。そのずれる部分を合わせて張り込まなければいけない。そして柄合わせのために切った部分は無駄になってしまう。そこを全部やっていかなければいけない作業だから。

お茶屋さんで同じ柄のものを見つけたら、あえて同じ柄のもので急いで貼るんですよ。他所では半分の値段だったと思う人がいるわけですよ。その人たちと、アッ違う!とわかる人といるわけですよ。それが面白いところでもあるのね。

私も当然和紙が好きだから、若いときから茶缶も購入しているわけですけど、一生使っていたくて。安くても。でもね、錆びてくるんです。剥がれてくるんです。錆びないようにするには面取りと下張りをしなきゃいけない。剥がれないためにはそれなりの手間の掛かる貼り方をしなければいけない。それをクリアしてしまえば、一生使えるんです。

でも、これを店に出すまでには、またこれを見るんですよ。剥がれてこないかって(笑)どっか浮きがないかって。見たら出せなくなっちゃうんですよ。本当に。お客さんに失礼があったらって。

こだわりのお茶缶

普通は全体に1枚貼って切るだけですものね。

他所より100~200円高く売るために、私はものすごいお客さんに気を使うんです。他所より100~200円高く貰うんだからって。やってるときは1000円高くてもって気持ちにはなってるんです。だけど出すときには他所より100~200円も高いわけって。剥がれてきたらどうしようとか。思っちゃうんですよ。本当に正直なところ(笑)

これだけ手間隙かかって(笑)

それで私が渾身をこめて染めも頼んだものをレジに持ってきて買ってくれた人が、もうわかりますよね。この人わかってくれているって。そのときは本当に嬉しくて。良かったー!良かったねー!ってお茶缶に。

私はどうしても、和紙というよりも和紙を使った小物たちの方の立場になってしまうんだけれども、よく京都に行って和紙に限らずちりめんの小物もそうですけど外人さん受けとか、外人向けのお土産とかに考えられる物のひとつでしょ。日本人もあれだけれど外国人にも良いんじゃないかしらって考え。うちにも来るんですね。海外に留学するんだけれどどんなものが良いですかって。それも自分感じるのは、私たちの子供の頃は浅草に行って半被、ちょうちん、雪駄、日の丸の付いた扇子とかを持っていけば、それだけで喜んでもらえた時代があったと思うんですね。

いまはもう違うんですよ。自分が良いと思うものを贈れば外国の方も喜ぶと思うんですね。それを実感したのは、外国の方が通りすがりに、えっ、こんなところに紙屋さんがあるって。紙の好きな人が寄ってきますよね。それで何人かの方に、お宅京都よりも素敵なものを置いているって言われたことがあって。わかるんですよ。そこに和紙を理解するのに国籍は関係ない。わかる人にはわかる。和紙に限らずね。そこで国の隔たりもなくなって。だから、入ってきて通の人は選んでいきます。日本人よりも。すごい勉強になったんただけれど。

だから外人さんに何をあげたら良いですかって聞かれたら、外人さんというよりもその方の趣味を考えて、それは日本人も外人も一緒の時代ですね。半被を喜びそうだったら半被をあげたら良いし、でもみんながそうじゃないと、多分。みんなが良いもの、素敵なものを1個欲しがっている。

スペシャルな1個。

そう。そういう時代ですね。

外人さんの場合だと先見がないから逆にマテリアル、質感の部分をきちんと見ているのでしょうね。

京都は産業として定着しているから、和紙小物=京都なんですね。当然京都。外人さんも多いし、需要も多い、販売力もあるってことで。誰もが100人いたら100人、和紙小物と言ったら京都って連想するぐらいのものですよね。

そんな中でそれじゃないものを教えるのにはすごい努力が必要なんですよ。その中でも“ますたけ”の和紙小物って言ってもらえるように。和紙小物って言ったら“ますたけ”さんよって言ってもらえたら嬉しいなっていつも思いますね。

だから私は、本当に職人気質ですね。自分でもわかります。


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http://www.youtube.com/watch?v=3XuBP-doUbU

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