和紙の職人.com : ご挨拶

日本の伝統文化。その独自性は、装いを新たに纏い直すことで、全く新しい命を得る。そのことで新しく生まれたばかりの瞬間を繰り返しつつ、歴史と伝統を受け継いできたところでしょう。

硬く堅牢なものよりも柔軟でしなやかな“もの”だからこそ時代を超える。

これは日本の文化に根強く印されているひとつの事象であるのではないかと思います。その代表例が伊勢神宮であり、その遷宮なのでしょう。

日本の伝統の中で、絵画や記録などでは表装技術によって新たな命は受け継がれてきました。本紙を裏打ちすることで強度を増し、時を経た後、裏打ち紙を打ち直すことで本紙自体もまたリフレッシュする。これは日本の独自性を見事に表象したものだと言って良いかと思います。

その日本の絵画や記録がこれほどまでに現代まで残されていることとなった一番の背景は、和紙の存在です。脆弱とも言える柔らかくしなやかなその素材。これまで日本の様々な文化の下支えとなり、数多くの文物を伝える下支えとなっていたのは和紙でした。

その和紙も時代の変化によって様々にその姿・形を変えてきています。その変化もまた、新しい命を得るひとつの変容と見ることも可能でしょう。それと共に、これまで受け継がれてきた伝統的手法による和紙の技術もまた、ずっと継承されるべきものです。

和紙の現状を見ていると様々な問題点が出ているのが実状です。これまでの時代においても、それぞれの時代、その時々の問題があったのでしょう。しかしその中で新しく命が吹き込まれた伝統というものが芽吹いてきたのでしょう。

新しく生まれたばかりの瞬間を繰り返す。そのためには、その“もの”自体が語り始めるその現場に耳を傾けることが大事なのではないかと思います。問題点が数多く浮かび上がってきている現在。今もっとも重要なのは、和紙に携わっているひとりひとりの職人さんの声をもっと身近に感じてもらうことなのだと考えています。

その重要性とともに和紙に携わる方、ひとりひとりが語る和紙に対しての思い、考え、こだわり。そのお話はあまりにも魅力的です。ひとりひとりの職人さんの日々の細かな作業の積み重ねの結果からしか命の吹き込まれた“もの”そのものは生まれてこないのです。

その職人さんの声をできるだけそのままの形で、ひとりでも多くの人たちに届けたい。「和紙の職人.com」は、和紙に携わるひとりひとりの職人さんの声をもっと身近に感じていただくよう、微力ながらも邁進したいと考えています。

〒892-0874 鹿児島県鹿児島市緑ヶ丘町22-4
和の職人.com 代表 : 中村 聡


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ネットを通して「和」の素晴らしさを伝えております。サイト構築、サイト運営、取材、記事作成、写真撮影、動画編集まで全て総合的に対応しております。和紙以外の伝統工芸、伝統文化などの取材も承ります。詳しくはお問い合わせください。


和紙の職人.com : プロフィール

運営者 : 中村 聡 (なかむら さとし)

昭和45年9月鹿児島生まれ。鹿児島市立玉龍高校卒業。東京学芸大学教養学部総合社会システム化卒業。大学卒業後、表装用裂地を取り扱う株式会社岡澤に入社、5年間勤める。その期間に、職人さんと直接やり取りをする中で、もっと直接的な形で職人さんの魅力を紹介することができないかと思い始める。2000年からアジア全般の文化紹介を旨とする“梵・漢・和.com”を設立し、ネット全般に対し本格的に関わることとなる。2009年に“梵・漢・和.com”を解散。2010年、越前から全国の和紙の紹介をする業務に携わる。2011年、独立して職人さんの魅力をそのままの形で伝えるべく当サイト“和紙の職人.com”を設立。神社参拝を趣味としており個人サイトとして大和心.comも運営。


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