黒谷和紙:ハタノワタル ~紙フェチの国ですよ。だから潜在能力はすごいあるんですよ。~

紙フェチの国ですよ。だから潜在能力はすごいあるんですよ。 (2/4)

黒谷和紙の若手の代表の一人として枠に留まらない活躍をされているハタノワタルさん。若手の新しい視点がこれからの和紙の展開のひとつのヒントとしてなる部分もあるのかと思います。「日本は紙フェチ」との言葉はある意味納得。説得力のある言葉でした。

友達が化学物質過敏症で、結局その子に渡せる紙がなかった。

通常だとトロロアオイなんかは他の県から仕入れたりして、防腐剤などで保存したりってなるんですけれど、その点、ハタノさんなんかはどういった形で……。

僕は干して、、、。ちょっと持ってきましょか。干してるんですけど。

でね、悲しいかな。春からは漬けるんです。春から夏の分は防腐剤に漬けた今まで通りの紙漉きをしてるんですよ。

防腐剤なども全く使わないやつも、、

冬の間に作っているんですよ。冬の間はこれを使ってやっている。

じゃあ他の産地なんかだったらトロロアオイなんかはどの期間であっても防腐剤を使っているわけじゃないですか。ハタノさんなんかは冬の間は全く使わない。

使わないですね。

全国的に見てほとんどそういった方いないですよね(笑)

そうですね。僕が知っている限りで言うと職人レベルで、、、。作家さんなんかはね、そういうちょっとだけやっている人に関しては別として、職人レベルでは美濃の長谷川さんとか中嶋さんとかしか聞いたことがないですね。東京で冷凍保存して使うときだけ出してきて使う人は使うときだけ出してきて。それはそうですよね。漉く量がすごく少ないのにそれに防腐剤をつけてという管理も嫌やろうし。

やっぱり防腐剤を使うことによってネリの具合とかも変わってくるんですか?

それは防腐剤を使っていたほうがネリはすごい良いです。

そうなんですか。

トロロアオイのねばり度合いが違うというか。

やっぱり普通に使っているだけじゃなくて、何も使わない形でやるよりかは、防腐剤を入れることでネリがもっと増す感じになるということですか?

え~と、言うたら取れたときが100のネリが出るとしたら90ぐらいの状態がずーっと続くんですよ。これを干してしまうと50位になってしまう。量がいるんですよ。多分倍以上、みんなより買っているし使っている。

その点、防腐剤を使うようになったっていうのは、その倍使わなきゃいけないという仕入れの部分での圧迫という部分とやっぱり夏漉けないというその2つの部分が背景としてあったということなんですかね。

そうですね。防腐剤を漬けても漬けなくても紙の値段は変わらないし、それなら効く方が良いし。どうせ夏にも漉くんやったら一年中漬けとったうが安定してネリは使える。

それでもう手漉きの人たちは防腐剤はどうしても手放せなくなってしまった。

そうですね。使うのが当たり前。それを使わないんやったら化学ネリを使うとかね。

でも、やっぱりそれに反応する人がいるんで。

このトロロアオイの防腐剤を漬けない形のやつをやり始めたきっかけはどういったところだったんですか?

友達が化学物質過敏症で、結局その子に渡せる紙がなかった。

はい、はい。

今までの方法ではいくらナチュラルですとか、自然ですとか。もちろん楮を国産にしようとか、水を山の水にしようとか井戸水にしようとか、何したところでその人に使える紙ができない。

やっぱり、防腐剤が少し入っていただけでもその人は、、、

反応しちゃうんです。オーガニックの服と書いてあるものでもオーガニックの服を着れないんですよ。例えば天然の海苔があるじゃないですか。食べる海苔が結局食べれなくなって。自然から貰った海苔ですってパッケージにも書いてあって。原材料は海苔って。

一般的には化学物質を使っているわけがないじゃないですか。でも、海苔を養殖中に大量のホルマリンが近隣で撒かれていたりとか、、、そういうのは内緒かもしれんけど……。そういう問題点ていうのがどっかにあるんですよ。そこに反応してしまうんですよ。

もう信頼して買ったにしても。

そうそう。

トロロオイ