和紙販売:紙処ますたけ(静岡・静岡市)

その和紙に似合った使い方をしてあげれば、すべて上手く (2/4)

静岡市で代々和紙屋さんをされている“ますたけ”さん。和紙小物の販売と共にマンツーマンに近い形での和紙教室も開催されています。「紙の声が聞こえる」という言葉を仰っていましたが、小さいときからずっと和紙が身近にあったからこそなのでしょう。  (取材日:平成23年2月3日)

中身を引き立たせる「包み」。だって中身が主役でしょ。

その教室っていつぐらいから始められたんですか?

もう、ここを立ち上げる前にお教室をやって欲しいとお客さんの声から始まったんですよ。私がいろんなことをするのをみなさん知っている方がいて、私が作っているものと同じものを作りたいってことから始まって。え~っ、と思いながら、教えるの面倒臭いなと思いながら、本当に顔見知りの人たちから。襖・障子の小売業しながら、ここでのリニューアルの準備をしているときですね。

教えるってどんなことか、自分で体験してみようかなって感じで始めて。そうしたらみんなすごい喜んでくれてれたものだから。え~っ、これで良いのって感じで(笑)

逆に、喜んでくれる顔を見て、、、

嬉しかった。一緒に楽しめますからね、和紙ってものを。だから私の教え方を喜んでくれる、私の作品を喜んでくれるのじゃなくて、和紙を扱うことを喜んでくれる。和紙が活きるってことが本当に純粋に嬉しかったですね。

で、よくある折り紙教室。とりあえず、いっぱいありますよね。折り紙も教えて欲しいという人もいるし、一貫張り。それこそ、和紙のお札入れを教えて欲しい。お茶缶の貼り方を教えて欲しい。私の中で、みんな一直線なんです。敷居がないんです。折り紙も、例えば箱貼りも。私の中では紙を使うひとつの作業でできるって。それで何でも受け入れられるんですね。隔たりがない。

ある程度教室ってことになると、何々教室て形でジャンルが決まって、それ以外は先生は教えないよっていうのが多いじゃないですか。それじゃない。

そう。だから、例えば今日ここで折り紙を折っていますよね。紙を選んで切ってもらって、自分なりのお雛様ができて喜んで。で、こっちであるものを貼っているんです。見ているんです。ひと段落、自分の余裕ができると見ちゃう。いま切り残したものを無理して折り紙にしなくても、ああいう風に貼れちゃいますよとか、今度は貼ってみようというわけですよ。この方は、折り紙から貼るまで流れでいけるんです。そうするとこの人は自然にすべて身に付いちゃうんです。

紙の切り方と折り方とかね。

意外とみなさん、教室とかやっていても基本のところを教えていないというのが多いですよね。

教えている人も曖昧ですよね。紙工芸の教室って、気軽にできて教えてあげられるんですよね。それだからこそ余計に。習う人が曖昧でよければ、それで楽しく終わるんだけれど。

もっと詳しくやって行きたいとなると。

私も教室をやるに当たって、いろんな教室を参考に歩いたんですよ。そのときに「ああ、この程度で良いんだ」って実際思いましたね。これで良いんだって。だから自分は大丈夫って感じさせてもらって、もう自己流で行こうって。

だから2人か3人までしか面倒見ることできないんですよ。スッゴイ教室ですからね。

ほとんどマンツーマンみたいな形で。

うん。単発ですものでね。知っている情報を全部教えてあげるのでね。

店内の様子

意外とそこまできちんとやっているのってないんじゃないかと思うんですけど。

みなさんきちんとやっているとは思うんですけれど、やっぱり従業員さんがそこで仕事で教えているのと、ねぇ。。。変わってきますよ。私の場合、熱くなりやすい傾向にあるから、習っている方は楽しいわけですよ(笑)仕事で教えていれば適当で良いですものね。ここまでで良いだろうって範囲を本当は決めなければいけないのであって。これ以上はもう一回来てもらおうとか。

それは確かにそうですよね。あれもこれも一度に教えすぎてしまうと、次のネタがなくなってしまうというところもありますね。

だからきっかけとしては折り紙の教室としてやっているけれども“ますたけ”さんの方が色々とバリエーションの引き出しを持っているから、こういったこともできるよ、ああいったこともできるよと。

そう。紙屋からの発信ができるのね。私流の。

今日もラッピング頼まれたんだけれどラッピングも一緒。ラッピング教室に私も出たんだけれど、それを否定するつもりはないけれど、私的でなかったのはラッピングしたときデコレーションをするんですね。包んだあとにお花を飾ったり、包みながら折り紙をしたり。それは絢爛豪華な表になるんです。で、それをみなさん習いにきて、資格を取ってラッピング・コーディネーターになっていく。何か身に付ければ、いつか自分も教えられるって。資格って主婦は欲しいですから。楽しみながら資格を取れるコースに入ってみたんだけれど、6回コースなんだけれども、2回めでもう頭痛くなっちゃったんですね。

結局、販売促進の部分もあっての教室だけど、ピンクの造花を付けましょう、お祝いには。何々には水色の花を付けましょうって。デコレーションケーキみたいになっていく中で、これこのまま飾っとくの?って、純粋に思ったわけですよ。開けるのに、、、って。ただそれだけ疑問に感じただけ。で、それに私は拒絶反応示してしまったわけ。これは私の世界じゃないって。

私はこれしかできない。バッと包んでセロテープも糊も使わない。で、ペラッと中の箱が出てくる。これ仏事のものなんですね。ちゃんと法則に則って上下キチッと、悲しみが流れるようにすべてキチッと最初の一番守らなければいけないマナーだけは、キチッと押さえておいて。とにかくテープ、両面テープも使いたくない。紙が叫ぶんですよ。使うと。痛いって。紐で結ぶと紙がそのまんま、使ってもらえるんですよ。紙が生き生きとしたまんま届くんですよ。そしてそれによって中身が引き立つんですよ。それが私の感覚なんですよね。

中身を引き立たせる。

そう!中身を引き立たせる「包み」。だって中身が主役でしょ。どんなことしたって包みが主役のものってないでしょ。そうすれば造形すれば良いわけじゃないですか。造形したものを飾れば良いわけでね。中身以上に引き立っちゃいけない。だけど、中身を引き立たせていかなければいけない。

いまのラッピング教室って、ラッピングの方がメインで中身は何も考えていないというのは多いのかもしれないですね。

私はかなり飛んじゃってますけどね。和紙屋としてね。やっぱり良いかなと思って、それで。

考えてみたら昔は両面テープとかセロテープとかなかったわけだから。

和紙には光物は似合わないから。

せいぜい水引ぐらいですものね。