和紙販売:紙匠 雅(東京・立川) ~一家に1枚じゃないけど、色んな使い方があるんだから~

一家に1枚じゃないけど、色んな使い方があるんだから~ (2/3)

立川で小口の和紙職人さんの紙も多数販売されている“紙匠 雅”さん。これだけバリエーションを取り揃えているお店は東京でも稀です。毎月、紙漉き体験などのイベントを開催されています。  (取材日:平成22年12月14日)

和紙に興味を持つ人が少しでも増えてくれれば良いのかなって。

雅さんでは、お客さんに対して積極的に紙漉き体験を開催されていますよね。田村正さんなどの紙漉きっていつぐらいから始めたんですか。

丁度ここがね、この店開店してから三年目ぐらいで移転したんです。そのときに紙漉きの話がお客さんから出たんですよ。田村さんていう人が保育園で紙漉きをやったって。

田村さんって聞いたことがあるなぁって。その2、3年前に知っているのだけれどそのときはすれ違いだったのね。それで電話してみたの。そうしたらすぐに飛んできて、また話をしていたらやっても良いよって形だったんですね。それから、月に1、2回。3回ぐらいやることもあるけど。結構ここで毎回3人でもやってるね。600人から700人ぐらいやってんのかなぁ。

結構その様な紙漉きをやる施設というのが、直接施設に行かなければ行けないものがほとんどじゃないですか。それ店舗の前でもやりますよってのは、結構珍しいですよね。

そうですよね。それはちょっと自慢になっていて(笑)あれだけの人がね来てやってくれて。それでまぁ、他にない。やらないと損だよって形で進めているんだけれどね。

他のお店もそれをやれば良いのに……、

いやぁ、商売としては難しいんじゃないかな。お互いに和紙が好きでやっぱりそれに触れてみたいって人をやっぱり増やしていくっていうあれでしょうね。

これ損得を考えたら、あんまり大きな声じゃ言えないけどぜんぜん儲かっていないよね(笑)絶対これは(笑)

だけどそのときの種蒔きっていうのが結果的に、

そうですよね。どっかで、ここで買わなくても、本音はここで買ってもらいたいけれど、どっかで和紙っていうことを言って伝えてくれて興味を持つ人がね少しでも増えてくれればね。良いのかなって。

全体的な底上げで、

絶対そういうのは無駄になっていないと思っているし。そういう気持ちがある限りはこれね。やっていけるって思うよ。

いつも紙漉き体験ができるよってことでやるよりかは、いついつやるよってやった方がお客さんにとっても分かりやすい部分があったりするのかも知れないですね。

あんまり簡単にできてしまうとね。

いつでもできるやって形になっちゃう。

そうですよね。だからこうやってやっている人なんかね。凄いよねー。この人なんか14回目だものね。

じゃあ、1回、2回じゃなくて何回も繰り返しこられる方が結構多いんですね。

うん、この人なんかは2回目。この人は14回やって。これ世界一周して、その土地土地で草や葉っぱを拾ってきたんだよね。これは良い旅行の思い出でしょうね。

いろんな人がいるからね。それをほら、旨~く引っ張ってね。紙を好きになってもらうような風に持っていくわけだからね。

紙漉き体験の作品

そのひとつの拠点のひとつがここになっているということですよね。

う~ん、ねぇ。長くやっているとそういうところもあるんでしょうけれどね。でも、なかなか月3人、6人っていっても難しいときもあるし、11月、12月のように1日の予定が2日にしちゃったということもあるしね。

人が多くて。

うん、人が多くて。

今まで何年、やり始めて何年になるんですか?

7年になるかな。多い時には月に3回。4回やったこともあるのかな。

一番多かったときは何人ぐらい……。

多くても3人までなんですよ。3人なんだけれど一度だけ、1人の人が2人連れてきたことがあったの。それで5人でやったんだけれど。それが何か上手く伝わっていなかったんでしょうね。

材料がちょっと足りなくなって(笑)

足りない。だから1人3枚漉いたかなぁ。でも、ジーっと待っているのがね。やっぱり人間、1人終わったらすぐにやりたいというのが心理でしょうからね。だから3人以上取らないというのは、基本的ですよね。

ああ、なるほど。多すぎて待ち時間をやらないということですね。

そうです、そうです。

もう、順繰り順繰りで。

順繰り順繰りで。

ただ、2回目以上の人の場合は、もう一艘の船の方でやって、初めての人は2人、二対一でやるのがこのごろのパターンなんですよ。

そうなんですか。それじゃ二艘置いて。

一艘の方は2回目からは創作的なことができると。花草や折り紙を入れたりね。

なるほど。1回目はもう、そのまま。

ただひたすらに伝統的な紙を漉くと。

その後に創作的なものをやるんですね。

そうですね。だから何回もやってくると自由に。この人なんかは年賀状に使うんじゃないかな。デザイナーさんですから毎回、いろんなことをやりますよね。いろんな人がいるから面白いですよね。

普通だったらうちの店になんか来ないような人も紙漉きをしたいってことで出入りしてね。

それが結果的にお客さんになったりということも……、

そうなって欲しいけど、そこのところはなかなか微妙なんですよね(笑)今度は違う段階の方へ走っていっちゃう人がいるからね。それはしょうがないよね。