「十川泉貨紙」一人で守る 紙すき技継承、平野直人さん « 和紙の瓦版

和紙の職人.com

和紙の職人.com 和紙の瓦版 全国の和紙処 和紙のイベントカレンダー 和紙のリンク集 和紙について ご挨拶 お問い合わせ 賛助会費について 和紙の伝言板
和紙の瓦版 ~全国の和紙に関するニュースやイベント、ブログ情報を紹介~

2011年1月14日

「十川泉貨紙」一人で守る 紙すき技継承、平野直人さん

カテゴリー: 和紙ニュース — @ 11:36 am
  1. 高知: 「十川泉貨紙」一人で守る 紙すき技継承、平野直人さん
  2. 長野: 縄文土器の拓本取る体験会開催 原村の八ケ岳美術館
  3. 新潟: 卒業証書、自分で作った 6年生、小国伝統の紙すき挑戦
  4. 福井: 「ふるさと市場」福井県全域開催 消費拡大へ県、きょう小浜から

記事で紹介されている十川泉貨紙。若干25歳の平野直人さんが後を継いで新たな試みを始めているとのこと。この記事で目を惹くのが化学薬品を一切使わずに材料を全て地元で調達するところ。どうやらトロロアオイなどにも薬品保存していないようです。ひとつの方向性として注目かもしれません。



高知: 「十川泉貨紙」一人で守る 紙すき技継承、平野直人さん

http://mainichi.jp/area/kochi/news/20110113ddlk39070588000c.html

◇平野直人さん(25)
 旧十和村(現四万十町)に伝わる手すき和紙「十川泉貨紙」。四万十町大井川の紙すき職人、平野直人さん(25)は、その伝統技術を一人で守っている。世界的に認められた紙すき職人で、01年に88歳で他界した祖母、芝虎見(とらみ)さんの後継者。気負いはない。生まれ育った古里で、職人道をひた走る。【千脇康平】
 「最後の清流」と呼ばれる四万十川。昨年12月、中流域の十川地区にある作業場に「バッシャン、バッシャン」と水のはねる音が響いた。落葉高木のアオギリの根で作る「トロロ」(のり)は熱に弱く、作業場の温度は上げられない。すきけたを握る平野さんの指先は真っ赤。小さなストーブに載せた鍋で湯を作り、手を突っ込んで暖を取る。
 十川泉貨紙は化学薬品を一切使わない。アオギリや、紙の原料となる落葉低木のコウゾなど、材料は作業場の近くなどで育て調達する。切り、蒸し、川に漬け、干し、たたく。虎見さんの次女にあたる母延子さん(63)と父修弘さん(63)との共同作業。ようやく、すく段階にたどり着く。
 「小学生の頃、家によく遊びに行ってお菓子もろうた」。平野さんの記憶に残る虎見さんは、その高い技術から称された「紙の母」という印象より、「明るいおばあちゃん」という。技術を教わることはなかったが、高校入試の面接で「紙すき職人になる」と宣言。子どもの頃から竹で弓を作って遊ぶなど、ものづくりが大好きだった。「自然が豊かで静かな地元」に残りたかったこともあった。それから1年もたたないうち、虎見さんは病気で亡くなった。
 高卒後すぐに和紙職人の世界へ。地区内の職人に直接教わったのは2週間程度。人に聞いたり、虎見さんが紙をすく姿を撮った映像を繰り返し見て技術を学んだ。1年目は製品にならなかったが、今では卸業者を通じて東京へ出荷するまでになった。紙すきのシーズンは毎年11月~梅雨に入る頃まで。昨季は約6000枚生産し、今季は1万枚以上が目標だ。縦約30センチ、横約50センチの製品を1枚500円で販売。ハガキや照明器具のカバーなどにも加工している。
 仕事を求めて若者が流出するなど、地元では過疎高齢化が進む。「十川泉貨紙を作っているのは自分一人だけ。責任感はある」と話す一方、「完成するまでの工程が楽しい。障子紙もすきたい」と柔らかい笑顔をのぞかせる。丸めた手に「はーっ」と息を吹きかけ、作業に戻る。その姿を見ていた延子さんが、つぶやいた。「母がすいていた音が聞こえる」
==============
 ■ことば
 ◇泉貨紙
 天正年間(1573~91)に、伊予(現愛媛県)の武士が最初に作ったと言われる。2枚の紙を合わせて作るため、厚くて強じん。「仙花紙」とも表記される。(2011年1月13日)

※泉貨紙は愛媛県側のものが知られていますが高知側でも今回紹介されているように新たな試みが始まっているようです。下の動画は愛媛県側のもののようです。

【関連情報】 : 泉貨紙とは

独特の技法で生まれる強靭な和紙「泉貨紙」nakata.net Revalue Nippon
http://www.youtube.com/watch?v=ySLapY2FZiQ

長野: 縄文土器の拓本取る体験会開催 原村の八ケ岳美術館

http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/node_175783

 原村の八ケ岳美術館は開催中の企画展「阿久(あきゅう)の鼓動~原村の土器展」の関連イベントで、縄文土器の拓本を取る体験会を開いている。土器に触れ、縄文時代の造形美を感じてもらう狙いだ。
 拓本は土器片の表面にある凹凸を紙に写し取る作業で、発掘調査の際、出土物を記録するために行われる。8日の体験会には諏訪地方の9人が参加。同村の上居沢尾根遺跡で出土した約4700年前の土器の破片から好きなものを選んで和紙をあて、ぬらした脱脂綿で押さえて密着させた。墨を付けたたんぽを軽く押し当てていくと、土器の表面に刻まれた文様や立体的な装飾が和紙に浮かび上がった。
 県考古学会の会田進会長(63)=原村払沢=が「墨を薄く重ね、むらができないように」などと助言。「縄文土器に触れることで、心豊かで平和な縄文の文化を知ってほしい」と話した。茅野市ちのの両角晃一さん(70)は「土器片を見ただけでは分からない表面の微妙な凹凸が、拓本にすると見えてきて興味深い」と話していた。
 次回の拓本体験会は2月5日と3月12日。参加費100円。予約が必要。申し込みは同館(電話0266・74・2701)へ。 (2011年1月13日)

※土器の拓本。思い起こしてみると博物館などで拓本が展示されることは多いですね。縄文土器のような複雑な形からも拓本をとることができるのが和紙ならではということなのでしょう。

【関連情報】 : 原村歴史民俗資料館 八ヶ岳美術館

新潟: 卒業証書、自分で作った 6年生、小国伝統の紙すき挑戦

http://mytown.asahi.com/areanews/niigata/TKY201101130554.html

 長岡市小国町の市立上小国小学校(安井靖子校長、児童55人)の6年生8人がこのほど、地元の伝統技術で、国の無形文化財に指定されている小国和紙の紙すきに挑戦した。3月の卒業式に受け取る自分たちの卒業証書になる。
 6年生は昨年春から、紙の原料になるコウゾの栽培を校庭脇で続けてきた。11日、長年紙すきをしてきた同市小国町苔野島の中村英一さん(84)、雅さん(80)夫妻と小国和紙生産組合の今井宏明さん(37)、千尋さん(36)夫妻の手ほどきで、縦29センチ、横39センチの小国判と呼ばれる大きさの紙をすいた。
 コウゾの繊維が交じった冷たい水に紙すきの簾(す)を挟んだケタを入れ、平らにならすようにケタを振った。2枚を張り合わせて1枚の紙にするため、1人3回ずつ計12枚の紙をすいた。小島さくらさん(12)は「どんな仕上がりになるか楽しみ。いっぱい思いが詰まっていて、宝物になると思う」と目を輝かせた。 (2011年1月14日)

※雪さらしでも知られる小国和紙。雪に反射する紫外線を使って漂白をしています。その動画が下でありますのでご覧くださいませ。

【関連情報】 : Home of 小国和紙生産組合

冬の風物詩「小国和紙 雪さらし」
http://www.youtube.com/watch?v=oxcV817oIT8

福井: 「ふるさと市場」福井県全域開催 消費拡大へ県、きょう小浜から

http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/***

 福井県が企画する消費拡大イベント「ふるさと市場」が14日から、小浜市を皮切りに県内全域で順次開かれる。2月末までの期間中に、県内20の商工会議所と商工会が地域の特産品などを集めた「市場」をそれぞれ開設する。販促キャンペーンを併せて実施し、地域経済の活性化を図る。
 10%のプレミアム分を上乗せした昨年の「ふくいふるさと商品券」発行に続く消費拡大事業の一環。クリスマスや年末商戦を終えて個人消費が落ち込みがちな1、2月を迎え、県内の小売業を支援するのが狙い。
 ふるさと市場は、各商工団体が公共施設や空き店舗を会場として、生鮮食品や加工食品、伝統工芸品など地域の逸品を販売する。県内計241店舗が参加する。事業費は1千万円。
 トップを切る小浜商工会議所の「市場」は、14日から2月20日までの土日曜を中心とする8日間に同会議所で開催。サバのへしこや若狭和紙の小物、NHK大河ドラマで注目されるお江の姉のお初にちなんだ菓子などを出品する。
 各会場での開催のほか、勝山商工会議所は2月26、27日に開かれる勝山左義長まつりでのイベントを計画。じねんじょそばや煮サバを用意する高浜町商工会は、各地区の集会場を巡る移動販売も行う予定。
 各団体による販売促進キャンペーンには計2530店舗が参加し、商品券などの景品が当たるスタンプラリーや抽選会が開かれる。県は4400万円を充てる。県商業・サービス業振興課は参加店舗に対し、割引や粗品提供など独自サービスも用意するよう求めている。 (2011年1月14日午前8時19分)

※福井では越前和紙が有名ですが、南部の小浜には若狭和紙があります。そのことから特に焦点が当たったのでしょう。これを機にもっと知名度が上がると良いですね。

【関連情報】 : 若狭和紙の家